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【古文】助動詞「む」の意味の識別が120%わかる解説

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古文の識別において頻繁に出てくるのが「む」の識別問題です。

どうして頻繁に出てくるのかと言うと、登場人物のセリフの中で「~しよう」という意志と「~だろう」という推量がよく出てくるから。

 

「む」自体も意味が多いので「この『む』はどんな意味でしょうか?」と意味の識別が頻繁に問題になってしまいます。イマイチ訳し方が分かっていない方はぜひ読み進めてマスターしてください。

 

助動詞「む」の意味はゴロ暗記する

まず助動詞「む」の意味としては次の6つがあります。

①意志:「~しよう」

②推量:「~だろう」

③適当:「~するのがよい」

④勧誘:「~しませんか」

⑤仮定:「もし~だとしたら」

⑥婉曲:「~のような…」

…そう、「む」はすごく意味が多いので圧倒されがちになってしまうんです。

こんなに意味が覚えられないという人のためにゴロ暗記があります。次のゴロを覚えておきましょう。

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注意点として「スイカカエテ」のそれぞれに何が対応するのか覚えておくように。僕自身ゴロだけ覚えてしまって意味がまったく出てこず焦った記憶があります。

 

あとは、「む」の活用と接続も覚えておきましょう

活用:〇 / 〇 / む / む / め / 〇

接続:未然形

※ちなみに助動詞「むず」も「む」と全く同じ意味です。

 

「む」の識別のポイント

「む」の意味をしっかりと頭に入れたところでいよいよ意味の識別に入っていきます。大きく分けて次の4パターンがあるのでそれぞれしっかりと覚えてください

 

①:主語が一人称

一人称とは「私」のことです。自分で自分の行為を話しているときの「む」は意志を表します。例えば、セリフの部分に入っている「む」や日記で作者本人が自分の行為について書いているところです。

例)ある男、「我(女のもとに)行か」と思ひて

→ある男が女のもとに行こうと思って

このように主語が誰なのかで「む」の意味は変わってくるので、主語の判別は超大事になってきます。

 

②:主語が二人称

二人称とは「あなた」のことです。相手に向かって話しかけている際の「む」は勧誘か適当の意味になります。ポイントは誰かその場に相手がいるのかどうかを見抜くということです。

例)子というもの、なくてありな

→子というものはない方がいい

 

例)「汝、来給はや。」

→あなたは、いらっしゃいませんか

ちょっと例文が分かりにくいかもしれませんが上が適当の例で、下が勧誘の例です。適当か勧誘かは文脈によって判別する必要があります。

 

③:主語が三人称

三人称とは自分と相手以外の第三者のことを指します。例えばA君とB君が「最近Cちゃんが可愛くなった」と話をしていたらこのCちゃんが三人称にあたる人です。主語が三人称のとき、「む」は推量の意味になります

 

例)まめまめしき物は、まさなかりな

→実用的なものはよくはないだろう

ここでは自分たち以外の「まめまめしきもの」について話をしているので推量の意味です。このように人だけではなく物に対しても使えるので注意をしておいてください

 

※ちなみに、「まさなかりなむ」を「まさなかり / なむ」と品詞分解しないように。分からなかった人は「なむ」の識別をチェックしておきましょう。

 

④:その他のケース

その他と書きましたが入試で頻出なのが仮定と婉曲の場合です。ここは結構ややこしいのでしっかり勉強しておきましょう

 

まずは次の公式をしっかりと覚えてください。

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仮定と婉曲の訳し分けで混乱するかもしれませんが、「~のような」と訳して行けそうなら婉曲、それでダメなら「~としたら…」という仮定で訳すようにしましょう

 

例)花の咲か

→花が咲くような時(婉曲)

→花が咲いたとしたら、その時(仮定)

 

例)

思はむ子を法師になしたらこそ心苦しけれ

→愛しく思う子供を法師にしたとしたら、気の毒だ。(仮定)

上の例文では仮定・婉曲どちらでとっても良いと思いますが、下の例文だと婉曲で訳すとちょっと違和感が出ます。

 

もういちいち面倒くさかったので自分の場合は「む」の下に「に」や「は」が続く場合は仮定で訳し、下に体言が来たら婉曲で訳すと決めていました。これでもOKです。

 

まとめ

「む」は基本的な助動詞であるがゆえに色々な場面で出てきて問題にもなりやすい部分です。まずはゴロ暗記で意味をすべて覚えてしまうことがマスト。

 

その次に人称によってどの訳を使えばいいかをマスターしましょう。そして、婉曲と仮定の訳し分けをしっかりとできるようになれば怖いものはありません。こうやって1つ1つ助動詞を勉強していきましょう。