中学三年生となるといきなり周りが受験モードになってびっくりしたのを覚えています。
それまでは定期テストの点数が悪くてもあまり気にしていませんでしたが、「このままで志望校合格できるのか…?」と不安が襲ってくるようになりました。
塾で働くようになってから気づいたのですが、中学三年生の夏以降にもかなりの生徒さんが入塾してきます。
やはり本人や親御さんが焦って、「受験対策をお願いします!」というパターンが多いですね。
巷では中学三年生になってから入塾するのは遅すぎて効果がないと言われたりしますが、ものすごく場合によるなと思います。
中三からでも遅くない子の特徴①
中学三年生から入塾して成功している1つ目のケースは、もともと勉強しているけど、受験対策に何をすればいいのか分からないという子です。
学校の定期テストではそれなりに得点できているが、高校受験って何をしていけばいいんだろう…といった生徒さんはギリギリで入塾しても十分に効果があると思います。
僕の働いている個別指導塾では、その子に応じた受験用の問題集を使用して弱点を補強したり、入試の過去問や類似の問題を使って本番の形式に慣れていくといった受験対策をしています。
基本的にどんな塾でも同じ方法だと思いますが、弱点を克服し本番の形式に慣れるということを徹底的に行うわけです。
もちろん、宿題も講師が管理をして苦手な単元の復習をしたり、時間を計って問題を解いたりなど生徒ごとに必要な勉強を提示することができます。
もともと勉強自体に抵抗がなく、自分で勉強がある程度できる子に関しては入試までのロードマップを用意できる塾は中三からでも遅くはないと思います。
中三からでも遅くない子の特徴②
また一方で、今まで全く勉強してこなかったけど何とか高校には合格したいといった生徒さんにも中三からの入塾は効果があらわれやすいと思います。
こういったタイプの生徒さんに対しては、確実に覚えて点が取れる分野をマスターしてもらい合格点を取ってもらいます。
例えば、数学の基本的な計算問題や理科・社会といった暗記科目、英語の文法・会話表現などです。
私自身も5教科の合計で100点もいかない子を指導したことがありますが、その子には数学の計算問題と理社の暗記に絞り入試を戦ってもらいました。
このタイプの生徒さんたちはライバルもあまり勉強していないので、塾に行って得点のポイントを身に付けられているかどうかが合格に大きく影響していると感じますね。
ただ、今まで勉強をしてこなかった分宿題を出してもやってこなかったり、家での学習時間を確保することが難しい生徒さんが多いため、週1回では厳しい子が多いです。
指導する側としては週2回以上の通塾を勧めたいのが本音ですが、費用的にも厳しいというご家庭も多く、講師が頭を悩ませていることもしばしばあります。
中三から入塾しても効果が薄い子
中三から塾に入ってもあまり意味がないと感じるのは、理想だけが高くて勉強習慣が全くない子です。
何となく成績は真ん中ぐらいだけど、上位の高校に行きたいという理由で入塾される生徒さんがいますがちょっと難しいなと感じます。
というのも、上位の高校に行く生徒さんは漏れなく昔から勉強する習慣が身についているからです。
能力とか才能以前に努力している量や習慣がものを言うのが受験の世界だと思います。そんな努力の達人たちに付け焼刃で勝とうというのはかなり厳しいですね。
もちろん、入塾してからちゃんと出された宿題をこなし、家でも自分で勉強をして志望校に合格するという生徒さんはいますが、大抵の生徒さんが結局は志望校を下げていると感じます。
まとめと感想
中学三年生からの入塾で一番効果を感じるのは、「もともと勉強していたけど受験がよくわからない子」と「全然勉強してなかったけどなんとか高校進学したい子」の2パターンだと思います。
前者には適切な教材や過去問を提供して入試までのロードマップを敷くことができ、後者にはポイントを絞って暗記することで点を取る手段を塾で教えることができます。
一方で理想だけが高くて勉強習慣がない子というのは塾に来てもあまり効果が出ないケースが多いです。
部活も終わり、入試が迫ってくると焦る気持ちも出てくると思いますが、もう一度冷静になって塾にいって効果があるのかないのかを考えてみてください。